「予測落下地点、アフリカ中央、ゴンゴとスーダン辺り。予想落下猶予時間、2時間15分。ギリギリね・・・」


 佐倉が出した、予想起動はあまりに絶望的な数字だった。


「各国の宇宙センターと防衛各局は?」


「まともに動けるのは、アメリカの艦隊ぐらいだけど、さすがに、アフリカ中央部となると無理みたいだよ。弾道ミサイルも手薄な場所だし。」


 宇治原君からの報告。


「仮想敵国とは、全然かけ離れた場所だからな。」


 なるほど。確かにアフリカのそれもまだ、経済的に貧しいゴンゴとスーダンは仮想敵国には想定されていないわけだ。


「万が一、弾道ミサイルを撃てたとしても、6キロ四方の隕石を壊すのは、至難の技やろうな。」


『…というより、不可能に近いよ。』


 分かってるよ。美並、吉田。


 お前たち専門家の意見を聞くまでもない。


「なるほど、分かりやすい構図だ。念のため、軌道修正はできるのか?」


 佐倉に聞いてみる。


「ホムラや雅の攻撃以外で、ってこと?さぁ?計算上では2分以内に、600万キロ以上の衝撃を与えれば、なんとかなるということになるけど…。」


「吉田?」


 こういう時は専門家に聞くのが一番だ。


 地球上にそれだけの威力がある兵器となると…。


『核ミサイルだね。』


 …なるほど。


 ということは、この事態を避けるためには、残り2時間でアフリカ中央部までに、隕石ごと破壊できる超強力な威力をもつ大砲を持っていて、地球に衝突する前に破壊する。


 これしかないわけか?