「美並」


「もうやってる!全速前進やろ?」


 やってるって…指揮官が何を言う前に発進してるのは、どうなんだろう?


「頼む。花子、機関室の様子は?」


「問題ありませんわ。エンジン順調に動いている。F1レースにだって出てやるぜ~と叫んでますわ。」


 基準がよく分からないけど、快調なら良いや。


「よし!ホムラ、全速前進!吉田・・・分かってると思うけど、最後の肝はお前たちだからな。」


 まさか、念のため配備の砲撃手の出番があるなんてな・・・


『分かってる。もう主砲台に移動しているよ。』


 吉田君が、まぁ、任せてよ。と親指を立てて見せた。


 なんだかんだ言っても頼りになる主砲管理者だよ。


「なぁ、斉藤もしかして…この隕石は…」


 美並が不安そうな声をあげるが…。


「今は目の前のことに集中しろ。考えるのは、隕石を防いだ後だ。」


 戦艦ホムラ、スクランブル。


 全速前進で向かう先は、アフリカ大陸上空、謎の隕石。


「あぁ!それで、俺に周りを見ていろって言ったのか!外敵の仕業かもしれないってことね?」


 今頃気がついたのかよ!村山!