『雄二・・・』


 祐太か・・・


「悪い、緊急事態だ。雅を回収している時間はない。悪いがここで待っていてくれ。」


 雅を回収する時間すら、今は欲しい。


 どちらにしても、時は一刻を争う。


『うん、聞こえてた。ワイヤー切断するよ。』


「悪いな。」


「祐太、必ず戻ってくるからな。待っててな。ほんまやで。」


『分かってるよ。』


 雅、ホムラからワイヤー切断。


 コレにより雅はホムラから完全に孤立する。


 あ~あ、これで、お前が女装していなければ、さぞ締まるシーンだったろうよ。


「宇治原、花子、通信艦内フルオープン。どこともすぐに繋がるようにしておけ。」


「つなげて呼ばないで下さる、私の名前は、伊集院…フラワーですわ。」


 …花子よりひどい名前になってるぞ。


「冗談に付き合ってる暇はない。とにかく、花子がファーストオペレーターとして、通信管制を頼む。宇治原は花子のサポート。」


 本来、艦内アナウンスは宇治原君の管轄なのだが、緊急事態となれば、どちらがどちらという役割分担などしている場合ではない。


 花子も、宇治原君も同じオペレーター。


 二人で力を合わせて、うまく艦内の連中や外部の連中に俺の指揮を伝えてくれ。


「了解。」


「かしこまりましたわ。」


 言うが、早いが花子と宇治原君はインカムをつけたかと思うと、それぞれの通信網を開いていく。


「砲撃手の配備確認をお願いしますわ。」


「NASA管制室、応答願います。こちらは戦艦ホムラ。NASA管制室、応答願います」


 よし、こちらは大丈夫。


 後は…。


「カルラ、ピーチダックを全機出撃。詳しいデータを少しでも送ってくれ。」


「了解。今回は、一人一台を使用する。01号機は私、02は佐々木君、03はアッキー、04はモンキー、05は変態。お願いね。」


 03から05の操縦者がとても気になるけど、後にしよう。


 ICI連中の暗号みたいなものだ。


 うん、そうに違いない。