「…順当にいけば、今回は花子のはずだった。」
「正直、俺もそれを予想していた。」
カルラと斉藤の意見が一致する。
「頭は悪いけど、仮にも学園長の孫やからな。」
「さりげなく、小馬鹿にしたでしょ?美並さん。」
いや、さりげなくではない。
ド真正面からバカにしてるぞ。
「おまけに、祐太の雅パイロットやカルラの司令官、美並の操舵手と言い…今年の2年Sクラスは完璧に『実力主義』で構成されている…。」
カルラは別として、残りの三人は、言ってしまえば、全員中流家庭出身の庶民である。
いや、斉藤に至っては、片親の貧しい家庭で育っているから、言い方は悪いが下級家庭出身と言ってもいいかもしれない。
「その言葉だけ、聞くと、今までの2年Sクラスが実力主義ではなかったみたいだな。」
村山がそんなバカなと、ハハハと笑うが。
「その通りや、村山。」
美並が肯定した。
「は?」
いや、は?じゃない、は?じゃ…それぐらい知ってろよ、村山!
「確かに、今まで学年トップが艦長というわけではなかったね。何というか、必ずお坊ちゃま。お嬢様が艦長をやっていて、雅パイロットも、何というか、いけすかない…まぁお金の匂いがする連中がやっていた気がする。」
「え?宇治原君までそっちはいるの?私、まだ話についていけないんだけど。」
佐倉が、ちょっと待ってよ。と言ってくるが、正直、今意見がほしいのは、カルラと美並だけだ。
佐倉は、黙って聞いていてくれ。