「笑っている場合じゃないよ。なんか、さっきモニター越しに彗星みたいなものが映ったんだけどさ・・・。」


『それでしたら、先ほど私たちも確認しましたわ。今カルラさんに連絡して、ピーチダックを使って偵察に行ってるところでしてよ。』


 答えたのは、花子だった。


「あ、そうなんだ。ならいいけど・・・花子はどうして携帯を構えているの?」


『え?深い意味はありませんわよ・・・それより、それだけですの?通信は?』


「うん、そうだけど・・・」


『でしたら、私と少しお話でも・・・』


『ちょ~っと待ち!雅は作戦中や、余計な話はせんといてもらおうか!』


 なぜか、そこに美並が割り込んできた。


 というより、僕は雄二に連絡を取ったのだけど、なんで二人が出てくるんだ?


『いいじゃありませんの!少しぐらい!』


『アカン!雅の作戦は慎重をきするんや。万が一のことがあったら、どないすんねん!』


『そんなコト、裕子さんにいたって、あるはずありませんわ!』


 ・・・・あ~・・・


「通信、切るね。それだけだから。」


『あ。』


 花子がまだ何か言いたそうだったけど、なんか怖くなったので、強制的に通信を切った。


「なんなのだろうな、あの二人・・・あの日かな?」


 超ウルトラ鈍感祐太くんに、乙女心を理解する日は遠い。


 ・・・というか、たぶん、来ない。