『ちょっと、二人とも…お~い…』


「はっ!そうだ!」


 慌てて、何かを思い出したかのように、足元においてあったカバンから携帯を取り出す宇治原君。


 花子も何を思ったのか、鞄からデジカメを取り出してくる。


 花子、どうでもいいけど、デジカメは校則違反…。


『いや、行動がおかしいでしょ!二人ともナゼにそんなの出しているのさ!ワケわかんないよ。』


「何をおっしゃってるのですか?こんなチャンス二度と・・・」


「そうだ、これを納めないと…」


「待てい!これ以上は、アカン!」


 なぜかそれを、美並が止めた。


 携帯を裕子ちゃんの映るモニターに向けている花子の手をずらし、宇治原君の頭を思いっきりたたく。


「ナゼ止めるのですか!美並さん!」


「そうだよ!止めないでよ!」


「ちょっと、宇治原さん、どういうつもりですの!あの人は、男の方ですよ!」


「そういう花子こそどういうつもりだよ!裕子さんは、女の子だよ!」


 二人とも、落ち着け。


 おかしい。言動がものすごい、おかしい。


「オペレーターの選考基準は、変態度数なのか?」


 そんなことを口にした村山君は、二人によって、即効ダウンさせられた。


 い…今の技はなんだ?


 人の目に見える動作ではなかったぞ。