「あ、ご苦労様。問題ないって?」


「ありませんわ。まったく、こういうときに艦長が一言も挨拶しないとは、どういうことだと、向こうも怒っておりましたわ。」


 それを言いましても・・・。


「俺、英語苦手だからな・・・。」


 決してしゃべれないとは言わない。


 焔学園に在住している者なら、少なくとも英語ぐらい話が出来ないと進学すらままならないからだ。


 他校なんて、別に英語が話せなくても問題ないと言うのだから、それを聞くとうらやましいよな。


「日本語でもいいから、挨拶ぐらいしなさいな。向こうにだって、日本人スタッフぐらいおりましてよ。」


 それは、分かっているのですが、どうも人前で挨拶するのは苦手だ。


「へいへい。今度からそうします。あれ?佐倉は。」


「トイレ。もう少ししたら、戻ってくるとちゃうか?」


 美並がそこまで口にしたところで、艦橋に佐倉が戻ってきた。


 その顔は、完全ににやけ顔だ。


 視線も、先ほどまで出ていた後ろの方をちょくちょく振り返っている。


「あれ、美並の仕業でしょ?ビックリしちゃった。」


「可愛かったやろ?アレなら祐太も絶対に大丈夫や。」


 ??


「何の話をしているんだ?」


「あぁ、まって今通信つなぐから。宇治原君、お願い。」


 笑いながら、セカンドオペレターに通信を頼む、佐倉。


 いったい、何なんだろう?