「You in here, battleship HOMURA, and the space center, please respond.」


「・・・・・宇宙に行くのに、お弁当持参とか、ホント締まらないよな・・・。」


 艦長席で雄二はしおりを眺めながらつぶやいた。


 アレから一週間。


 平日丸々一日、実験に使われるため、先週の土曜日を補習で補い、本日戦艦ホムラは二度目の出航。


 宇宙に出る。


 新学期早々補習とか、本当に今年のSクラスは運がないというか、なんと言うか・・・。


「There are neither a great reception nor a problem. It doesn't shift the meteorological observation data here.」


「そもそも、宇宙に行くのに、しおりが必要という時点で締まらんわな。」


 操舵輪を握りながら、美並がケラケラと笑う。


 ごもっとも。


 だいたい、ここら辺に書かれている内容は去年までの、航行学で学んだことばかりだ。


 宇宙航行演習は、この学校では必須教科だろうに。


「There is no problem. It sails according to schedule. Thank you.」


「それで、祐太はうまく行ったのか?」


「おぅ、バッチリやで。」


「うるさいですわよ!」


 先ほどまで、NASA宇宙管理室と連絡を取り合っていた、花子からの怒声が飛んだ。