「俺もだよ。さっき職員室で始めて聞いてビックリしたんだけどな。祐太のアベレージスコアは9,500を越すらしい。」


「「「「はぁ!?」」」」


 先ほどまで、手を挙げていた10人が全員、驚いた声を上げた。


「なぁ、うちら雅パイロットの授業受けてへんから、分からんのやけど、スコア9.500ってどういうコト?」


「ようは、点数。雅パイロットの点数は最高点が1万点なんだよ」


 それは、雅の操縦にはそれだけ注意する点が多いからこそである。


 他の部署と違い『実験』としてだけでなく、災害救助や艦外作業など『実践』も多い雅パイロットには、それだけ厳しい点数が引かれるのだ。


 ちなみにA評価をもらえるのは8000点から上。


 でも、それぐらい難しいことじゃないような気がするけど・・・。


「ほんなら、平均点が9,500って・・・」


「定期テストに例えたら、超一流高校合格間違いなし。普段100点取ってるのが当たり前で、98点とって、今回は調子悪かったな・・・とか、言ってるレベル。」


 その例えは、どうだろう?


「それが、どうして、あんな失態になるのですの!」


 花子が言い寄ってくる。


「そう、それが俺も聞きたかった。去年までのお前の成績を見ていたら、あんなことありえないぞ。」


「だって・・・・なんていうか・・・みんなが見てると思ったら、緊張ちゃって・・・。昨日もお腹痛くて、夕飯あまり食べられなかったし・・・。」


「はぁ?」


 雄二がなんじゃその理由は・・・と表情だけで言っていた。


 だって、みんな見てるんだよ。


 失敗したらどうしようとか、不安にならないの?


 お腹痛くなるでしょ?僕はなるよ。


 だから、裏方が良いって、言ったんだよ~。


「・・・・・・・・・アガリ症。」


「信じられませんわ。人から注目を浴びて実力を出せないなんて、どんな神経していらっしゃいますの?」


 むしろ、花子こそどんな神経しているんだよ?