しかし、それらをコックピットを使わずに遠隔操作を行うまでになるには、よほどの訓練が必要であり、さりげなく二体同時に動かしている、カルラと佐々木君は、何も言わないが、化け物レベルの技能を持っていると言っても過言ではない。
今年の2年Sクラスは過去最高の実力者ぞろいたちだ。
期待している。
‥‥…祐太は絶対に間違いでしょ?先生。
「雅、捕獲成功。」
佐々木君の声が響く。
「はやっ!」
美並がそんなことを叫ぶのも無理はない。
まだ、出撃してから一分とたってないぞ。
「…すぐそこに落ちてた。足も水面から浮いてた。」
説明してくれたのはカルラ。
…わざとだろ?絶対、わざとだろ?
というより…
「むしろ、どうやって溺れていたんだ?」
まず、そこを説明してくれ。
何か?カルラに花でも持たせたかったのか?それとも笑いをとりに行きたかったのか?
『うぃ~空が青いよ~。もう乗りたくないよ~。』
まだ、泣いてるよ。祐太のヤツ・・・。
いったい、春休みの間に何があったんだ?
「・・・雅回収後、ホムラ浮上、旋回。帰るぞ。」
「アイアイサー!」
・・・・・・・・・はぁ、帰ったら、説教だろうな。
20××年度。二年Sクラス、ホムラ戦艦初起動。
明日の新聞の表紙を想像して、雄二は顔が青ざめるのを実感した。