「よぉ、祐太。いよいよ今日だな、楽しみだな。」


 しかし、そんな気持ちも露知らずな友人が一人。


 短髪、釣り目、犬歯がまぶしいTHEヤンチャ坊主、斉藤雄二さんである。


「あ、おはよう、雄二。」


「おぅ・・・って、朝から何しけた顔してんだよ?」


 むしろ、なぜ雄二はそんなハツラツとした顔が出来るんだよ?


「だって、春休みが終わっちゃったし。」


「はぁ?何、言ってんだ?春休みとか俺、もうワクワクしてコレほど、春休みが長いと感じたことないぜ。」


 え~僕には、むしろ短すぎたよ。もうちょっと長くても良かったよ。むしろ春休みだけで、夏休みに突入しても良かったぐらいだよ。


「雄二は大丈夫そうだよね・・・成績、あまり良くないモンね」


「おぅ、朝から喧嘩売るとか、お前元気だな。」


 え?僕、今何か悪いコト言った?


 何が悪かった?


「おっはよ~さん、なんや、お前たち朝からいちゃついてるんか?ええな。若いって。」


 祐太が、雄二はきっと昨日の夕飯に嫌いなものが出たんだ。とか見当違いな思案に暮れていると、さらに後ろから声をかけてくる女性が一人。


 ポニーテールとソバカスがとってもまぶしい、美並楓さんである。


 中学に入ってからある一部分がとっても急成長を遂げたことで、一躍一部男子からとても人気が上がった女生徒としても、有名。


 関西弁を使っているからといって、関西人ではない。


 だって、小学校から一緒だし・・・。