「次にファーストオペレーター、伊集院花子。」


 ファーストペレーター。これは、主に外部に対しての連絡を担当する部署。


 これに対し、セカンドオペレーターは、戦艦内の連絡を担当する部署。ただし、通信が混雑する場合は第一オペレーターと同じような役割を担う。


 セカンドオペレーターは別名『オペレーター補佐』


 言い方は悪いけど、ただの補欠要因と言うやつなのだ。


 このような、本来の海軍とまったく別名で呼ばれるゆえんは、彼らがあくまで『防衛省』所属ではない…という現れでもある。


 中学生しか動かせない…という特筆上、戦艦ホムラはあくまで『私立焔学園』の所有物となっており、それゆえに管轄はどこかと言われると、なんと『文科省』である。


「その名前で呼ぶのはおやめください!」


「お前は、親からもらったものをもっと大切にしたほうがいい。」


 先生も言葉を選んだほうがいいと思います。


「それに、納得できませんわ。なぜ私が通信士などという、地味職なのですの!幼少の頃より様々な語学を学び、優に五カ国をマスターしているというこの私が」


「そう、だからお前はオペレーター向きなんだよ。」


「はえ?」


「英語、仏語、中国語、露語と言った、主要言語を使える人間が、オペレーターの方が、上層部も便利だろうが。」


「しかし、私の技能は・・・」


「ファーストオペレーターは、戦艦の窓口なんだ。一番、客からの目にも止まるし、お前にしか出来ねぇよ。」


 おぉ、雄二が口を挟んだ。


「つまり、私にホムラ戦艦の窓口になれと?」


「・・・・・・あ、あぁ・・・」


「私にホムラのアイドルになれと!」


 ・・・言ってません。


「あ、あぁ・・・。」


「そういうコトなら、仕方ないですわね。戦艦ホムラのアイドルお引き受けしますわ。」


 いつの間にか、オペレーターはアイドルの立場になったらしい。