「艦長、斉藤雄二。」


「俺かよ!」


 お前かよ!


 全員の視線が席の一番前に座る、短髪少年のほうに向いた。


「お前のことだ、薄々気がついていたんじゃないのか?」


「安直過ぎだろう?成績上位の人間をトップに立たせるなんて。」


「そうですわ!どう考えても、斉藤さんは性格に難があります!」


 花子…だからうるさい。


「俺もそう思うけどな。」


 おい、先生。


「だけど、初等部からの成績を見る限り、お前が一番艦長向きだ。」


「俺はめんどくさいことが嫌いなんだけどな。出来れば、命令されるほうが楽だぜ。」


 それは言えるね。


「生意気言うな。焔学園2年S組の学級委員長となれば、東大主席卒業よりも重宝される肩書きだぞ。何せ、その年の世界で一人だけしかいないんだからな。」


 先生!東大主席卒業生もその年、一人だけしか出ません。


「続いて、操舵手兼副艦長、美並楓。」


「え~ウチは砲撃手がええって、叫んだやん?」


「叫んだから、なれると思うな。それと、ハッピートリガーに砲撃手をやらせるほど、甘くはねぇよ。」


 戦艦ホムラの主砲は地球上ではその威力の高さに、簡単には撃てない。


 そのため、あくまで研究対象でしかないホムラの砲撃手は『念のため』の配備なのだが、だからこそハッピートリガーに任せられるものではない。


 確かに、美並楓の射撃の成績は学年トップだったけど・・・。