「そんな、面白いものが見れたんなら、俺、学校休むんじゃなかったな。」


「僕も」


「私も。」


 斉藤が病院から退院したのはそんな事件があった次の日。


 祐太と美並は謎の戦艦や、隕石事件の詳細な事情聴取をとるため、警察に行くことになり、学校を休んでいたのだ。


「‥‥花子、かっこよかった。」


 にやにや笑いながら、花子を見つめるカルラ。


「ち、違いますのよ!あれは、そのなんていうか、そう向こうがあまりに横柄な態度に出るから、腹を立てただけですわ。理事長の態度に腹を立てたのですわ!あくまで態度の問題ですわ!」


 あ、そうですか…。


「それより、美並、あの戦艦のことどうなったの?」


 佐倉が、不安半分、興味半分の顔で聞いてくる。


 謎のステルス戦艦。


 あの時は、追い払ったが撃墜したわけではない。


 情報は持ち帰られただろうし、こちらも対抗策を取らなくてはならないだろう。


 こういうことは、本当は艦長である斉藤に聞くべきなのかもしれないが、斉藤が昨日まで病院にいたため、情報が入ってくるとしたら副艦長の美並である可能性が高い。


「どうするもこうするも、とりあえず、警戒を強めるとしか言いようがないんとちゃうか?」


 現状であの戦艦に対抗できる艦はホムラ一隻。


 しかも、あれは工作船であり、本格的な艦隊が攻めてきたら、対抗手段がないのは言うまでもない。