その存在は、レーダーには映らない。


 それは、雅のレーダーが一切反応を示さなかったことから証明される。


 ステルス戦艦。


 他惑星からか、未来から来たものか…。


 そんなもは、祐太は知らない。


 そこまでは考えない。


 しかし、ステルス機能はあくまで、レーダーに映らなくしたもの。


 いくら、迷彩色(宇宙用の迷彩色なので、漆黒)にカラーリングされているからと言って、祐太の眼にはしっかりと映った。


 その戦艦がホムラの後ろにいたこと。


 隕石に向かって、ミサイルを撃ち込んだこと。


 そのミサイルによって、隕石が割れ、ホムラがいかに危険な目にあったこと。


 許さない。


 絶対に、許さない。


 ホムラは、隕石破壊に全力をつぎ込んだ。


 雄二が倒れ、美並がボロボロになりながら、必死に支えた。


 カルラと佐々木君が死に物狂いで、援護をして、吉田君が全責任を背負いつつ、必死に主砲を撃った。


 もう…戦える状態ではない。


「だから…僕がやる!」


 雅はまだ、動く。


 大雪山と言う、無茶な技をやったせいで、出力が下がっているのが分かる。


 背中のバーニアだって、いつ切れてもおかしくない。


 重力維持装置が付いてない雅は、ホムラと違い、宇宙に上がるためには、大量の出力、そして、パイロットにとんでもないGを与える。


 でも、祐太はそれに耐える。


 あいつを倒すため。


 あいつを懲らしめるため。