「美並、そのまま操舵手続行!村山、レーダー監視に戻れ!花子、俺の手はつかまなくていいから、各防衛省に連絡。さっきの美並の発言が気にならないこともないが、とりあえず、そこは、お前のお得意の話術でごまかしつつ、なんとか、協力要請をしてくれ。」


 さ…斉藤。


「無理よ!斉藤。聞こえなかったの?斉藤が、この中じゃ一番重症なのよ!頭から血を出しているのは、斉藤だけなの!しかも、まだ出血が止まらないなんて、絶対やばいのよ!」


 佐倉が吠える。


 そうや、斉藤、何を言い出す?


「うるせぇ、俺はこの艦の艦長様だ。ホムラ、急速反転!雅の援護に向かう!野郎ども!擦り傷ぐらいで、ガタガタ抜かすんじゃねぇぞ!」


 うをおおおお!


「…気力でどうにか、なるもんちゃうで…。」


 でも、ありがとう斉藤。


 私も…祐太だけに背負わせるのは、いややったから…。