「地上から入電。国連軍が支援に来るって・・・」


 遅いわ!


「無視しろ!」


 そんな余裕あるか!


「で、でも国連安全軍総指揮官って…」


 だから、なんだ?


「邪魔やから!さがってろ!!」


 宇治原君の言葉にかぶるように、美並は叫んだ。


「りょ、了解。」


 言うと、宇治原君はインカムに向かって。


「邪魔や!下がってろ!」


 と大声で叫び、通信を切った。


 こんなときに、そんなふざけたやつと会話できるか?


「み…美並さん、国防安全軍総指揮官と言えば、国連軍のトップで、世界中の軍事を操れると言われている人物ですわよ。」


 花子がそんなコトを言ってくるが・・・


「そんなの知るか!」


「再度、同じ所から、通信。」


 しつこい!


 今は、どこぞのオヤジより、祐太や吉田や他のSクラスのみんなの方が、よっぽど頼りになる。


「何度来ても、答えは同じや。邪魔やから、下がっとれ!」


「…と、言うことらしいので、これで通信終わります。」


 宇治原め、やってくれる。いつの間にか、こちらにも通信をつないでいたのか。


 途端、ICIや斉藤たちの応急処置に回っていた佐倉がクククと笑いだす。


「ヤバイ。本当に私はSクラスになってよかったと心から思うよ。」


「私は若干後悔してますわ。」


 佐倉と花子は今の通信のやり取りを聞いて、お互いに笑みを浮かべた。