「まったく、いくら国からの援助を受けられるため、学費免除のこの焔学園といえど、このような下種と、私が一緒にいることには、不満があると思いますの?」


「ねぇ、花子。そのキャラ疲れない?」


「だから、花子と呼ぶのはおやめ!」


 だったら、なんて呼べばいいんだよ?


「ほっとけ、祐太。疲れるだけだぞ。」


 雄二に肩をポンとたたかれ、ほれ席順見に行くぞと促される。


「・・・・花子は名前呼びなんや・・・花子は・・・」


「・・・・・・楓、女の嫉妬はみっともない。」


「わ、私は、そんなつもりで、言うたわけちゃうわ!」


 後ろの女子二人は、何の話をしているのだろうか?


 とりあえず、黒板に張ってある座席票から自分の席を確認して、席につく。


 どうやら、僕の席は一番後ろだったらしい。


 木材を一切使用している様子のない、鉄製の机と、両側に手すりまで着いているソファー並みの椅子。


 ご丁寧に、護身用として机の脇には銃が装備されている。


 先生の許可があって初めてロックが外れるような仕組みになっている、特殊な装備だけど、当然暴発する可能性はゼロではない。


 この1年は、教室内で下手に遊ぶことすら許されないいい証拠だ。


 一応、未成年たちが集まる、この教室にこんな厳重な装備をすることに対して、さまざまな反対運動があったらしいけど、世界レベルの機密性を保有することになる、Sクラスには、重要な装備であることは確かなのだ。


 机自体も最新鋭のパソコン内蔵型テーブルで、タッチパネル方式。


 ノートや教科書を一々取り出さなくても、ここから必要な教材のデータを取り出し、メモや授業中に記載してきた記録は、すべて印刷して保存しておいてくれる優れもの。


 ゆえに、Sクラスは他の授業に比べて、授業風景は邪魔なものが存在せず、非常に開けた風景になっている。


 早弁や隠れて漫画読んだり、携帯をいじることすら許されない…優れた設備の代わりに、徹底的に管理されやすくなっている


 まさに、エリートのために用意された教室。