第一発見者があたしの名前を出した理由は定かでないが、多くの関係者はこの成り行きに胸を撫で下ろしたろう。

あたしと岸警部は第一発見者の向かいのソファに腰掛けた。

必然的に第一発見者と目が合う。

どこか憂いを含んだ、その瞳を見るのは何年振りか。

「久しぶりだな、レミ」

レミと呼ばれるのも何年振りだろう。

「久しぶりね、達郎」

あたしの従弟、月見達郎は口もとに小さな笑みを浮かべて、そっと髪をかき上げた。