その瞳に、憂い以外の何かが浮かんでいた。

「達郎?」

「問題は、どちらが仕掛けたかだ…」

達郎はつぶやいた。

そして次の瞬間、体を反転させると、あたしを置いたまま歩き出した。

「ちょっと達郎!」

あたしはあわてて達郎の後を追う。

背後から、職員の弾んだ声が聞こえた。

「またのお越しを!」

二度と来るかッ!!