今日は理乃にケガがなくてよかった。

そーいえばあの時、理乃が何かを言いかけてたけど、結局聞くの忘れてたな。

明日、聞けばいいか。

ただ…理乃の傍には瀬川がいるんだよなぁ…。

俺、絶対瀬川に嫌われてる。

理由は明らかだ。
理乃と付き合ってるから。

瀬川は俺と理乃が似合ってないから面白くないんだろなっていうのはわかってんだ。

そりゃ俺自身がそう思ってたんだから仕方ないだろう。

今、理乃の真っ直ぐな気持ちは俺にしっかり伝わってるし、俺の気持ちも伝えてるつもりだ。

だからもう理乃と不釣り合いと思ってない。

ただ…瀬川の目が怖い…。

ちょっと落ち込み気味になった俺を励ますように理乃の香りが鼻を掠めた。

ん?

幻聴ならぬ幻嗅か?

どこからか理乃の香りがする。

オレンジみたいな柑橘系に少し甘い香りが混ざったみたいな。

理乃がつけてるコロンなのかシャンプーなのか知らないけど、理乃の香り。