そしてそのまま
勢いよくトマトに向って
包丁を振り下ろした。

だぁんっ!!

と包丁とまな板が衝突して
お互いに悲鳴を上げる。

トマトは勢いに耐えきれず、
潰れて辺りに飛び散った。

ぴぴぴっ、と自分の顔にも
トマトの汁が少しかかったが
そんなことはどうでも良かった。

ただ押さえきれない怒りが
私の脳内を支配しつくしていた。

許せない

許せない

許せない

許せない

許さない

人をいじめて何が楽しい?

人が悲しむのを見て何が嬉しい?


お前達なんかこのトマトのように
無様に弾けて消えてしまえばいいのに。

否、消してあげなければ気が済まない。