そうして時間がたつにつれ、 他のテディベアたちも 私たちの目の前に姿を現すようになった。 微笑んだ顔をした木藤。 泣いた顔の氷野。 怒った顔の神楽。 どれもこれも情人にとっては 可愛いとは到底得ないような顔した テディベアの顔を被っている。 でも私にとっては可愛い。 愛おしい。 「みんな、愛しているわ。」 満面の笑みでそう言った私に、 皆は笑い返してくれた。 でも、私はわからなかった。 その笑みが、 私に対しての憐れみや侮蔑を込めた 笑みだということに。 狂った私は気がつかなかった。