いつもみたいに、何気ない日々が過ぎて行くのだと 思っていた。 「儚様、ぜひ 九条家の方と会ってください」 『また見合いの話? 嫌よ、断っといて』 今回の見合いのことだって、彼はいつもみたいに、「御意」と頷くと思っていたのに、 「それは出来ません」 彰人が、初めてこの件に関して あたしの敵になった。