トランスプラント(移植)青春編

111正月が過ぎた1月4日の小雪が舞う寒い朝、美果は一睡もしないで
で朝を向かえた今月も生理がない。衛には相談できない
女の本能か誰のかわかる。産んではいけない。
渋谷にある病院の産婦人科を受診した。受診後先生が
「おめでとうございます。4ヶ月ですよ」
予想通りだった。美果は覚悟をしていたかのように気丈に
振る舞い「ありがとうございます」と言って診察室を
出て診察室の前の待合室にいると、看護士がやって来て
「朝比奈さん、母子手帳の申請を区役所で行って
下さい」「わかりました」そう答えて病院を立ち去った。
4ヶ月ではもう中絶する事ができない。歩道を歩きながら
下向きに目線を落し歩道の四角いレンガを数えながら
歩きそのレンガに美果の涙が落ちて直ぐに乾き

10万円を握り締め路地裏の引き戸を引いたその中には
中国人風の2~3人男女が診察を待っている様だった。
美果が、受付の女性から診察理由を聞かれた。
中国訛りで「なに?どこわるい」と聞かれた。
恥ずかしそうに小声で「おろしたい」と言うと
受付の女性は大きな声で「赤ちゃんおろすか?」
美果はうなずくとまた大きな声で「10万円」
と言いのけた。美果は握り締めた10万円を差し出す。
受付の中国人はその金を数え終わると「そこで待って」
と言って片隅の擦り切れて綿が見える汚い椅子を指差した。
美果は座るのをためらって立って順番を待った。
この病院は中国人の不法滞在者専門の闇の病院で彼らは
普通の病院へ行けない為此処へ来て見てもらう。