トランスプラント(移植)青春編

心配する看護師が衛に
教えてくれた。

衛の前ではいつも心配
掛けまいと元気に見せている
千裟がいとおしいく思えた。

病室に入ると、千裟がベッドに
横たわり本を読んでいた。

腰まで毛布をかけ入り口に
背を向けている。

衛は千裟の読んでいる本を
後ろからそっと取り上げた。

びっくりして振り向く千裟
少し充血している眼

「だめだよ!そんなに本を

読んでると、眼が充血してるよ」

本の題名を見た衛は!

「青春の門!ヘぇ 女の子

で、この本読むの珍しいよ」

その言葉に

「だって、貧乏に負けないで

 たくましく生きて行く姿

 すごくカッコいいよ」

衛は、少し笑いながら

「でも、ちょっと刺激がね」

千裟は微笑んで

「いやらしく読むからよ」

「違うよ!著者の意図を

 素直に感じているからだよ」

教養に満ちた、いつもの
二人の口喧嘩が始まる。

でも、千裟が、いつも衛を立て
あやまる。

千裟は男の扱い方を
知っているのだ。

そして、それが女らしさとして
男心を揺さぶることを?

「かずちゃん、

 眠れないんだって?」

「看護師さんに聞いたの?」

「そう、だったら!俺

 一緒に寝てやろうか?」

千裟の気持ちを察して
冗談混じりに衛は言った。

「もう!ばか」

少し笑いながら応えた。

「今日、学校で桃ちゃんに

  叱られたたよ!」