藤市と出会った時も、やはり藤市は道に迷っていた。

放浪をして、漸く見つけたのがこの湖。丁度永はその湖にいた。

それが出会ったきっかけらしい。


「生まれ変わりであろうとも、そうでなかろうとも。俺はあいつに結構感謝している。
藤市の間抜けぶりが、悩んでいる事も忘れてしまいそうな気がしてな」

「そうですね。藤市さんは阿呆者ですからね」


永は思わず自身の口を封じた。

みずきの前で、藤市の悪口を言ったらいけないと先程知ったからである。

だがみずきは怒ろうともせず、永にとあるお願いをして見せた。


「本当に申し訳ないと思っているなら、舞って下さい」

「だがそれは」