(KS)Brand new cherry.

永にとって忘れもしない二百年近く前の事であった。

雪は家に帰らない日々が長く続き、永も特にそれを気に留める事はなかった。

きっと雪は親には何かを話しているのだろうと。


それに永は雪が自分の傍にいる事が当たり前のようになり、いなくなると酷く寂しがるようになっていた。

今は珍しく雪は家に戻っていていない。早く此の場所に来て欲しいと永は常に願い続けていた。


とある月のない夜の事。顔面蒼白の雪が小屋へ勢い良く飛びこんで来た。

永は雪の帰りを喜び、抱きしめようとした。

しかし雪の様子は何時もと違っていた。

何かから逃げて来たような、怯えたような表情である。