(KS)Brand new cherry.

「連太郎さん。お願いです。里に、お戻りに、なって、下さい」

「それは出来ない。君と永を置いてだなんて」

「此処にいては、貴方は近い内に命を落としてしまいます。どうかお願いです。
里へ戻って、病の知識のある方の元で病を治して下さい。私は死ぬ予定はありません。
人間とは違いますから。永だって同じです。半分は私の血ですから。
だからどうか心配はなさらないで下さい」


桜里のその言葉にも肯定の意を示そうとしなかった連太郎であったが、

再び俯いていた桜里から雫のようなものが一粒床へ落ちて行く様子を見、心が揺らいだ。


「一日でも長く貴方には生きて欲しいのです。
私達はずっと此の場所にいますから、二度と会えなくなる訳ではないでしょう」


連太郎が桜里と永の元から去って行ったのはそれから一週間後、

桜の木から枯葉が散り出した頃であった。