三度連太郎が目を覚ました時は既に辺りは明るくなり、

太陽も既に頂点に立とうとしていた。あれから長く眠ってしまっていたようだった。

ただ一つ違う点がある。それは桜の木にもたれかかるような形になっていた事である。

あの女の姿は何処にもなかった。

辺りをくるりと見回しても何処にも居なく、捜そうとしたその瞬間であった。


「お早うございます。気分は如何でしょう」


薄桃色の着物を着た腰辺りまである長い銀髪の女が、

連太郎の見ていた方向から現れたのである。両手には野草を抱えている。

どうやらそれは連太郎へと食べさせるものらしい。


「ええ、体力は戻りました。ですが貴方様は一体」