両手でも足りない

「後つけ回すほど、俺のことが気になったってわけだろ?」

こんな上からの態度だって今に始まったことじゃない。


とは言っても悔しいからここはうんとは言ってあげない。


「違うもんっ!」

「あ、ほらまた。お前はいーっつも素直じゃないよな」

小さい時から、誕生日会して欲しいくせにいらないとか。ほんとは食べたいくせにケーキはいらないとか言ってみたり。

と、あたしのひねくれた場面を思い出すかのように言葉を並べていく。


そんなことをいちいち覚えている海斗にも驚きだ。それ以上にそんなに素直じゃない自分をさらけ出されて恥ずかしさでいっぱいになる。


なによ、自分だってトモ兄に負けたくなくて、塾に通ってるの隠してたくせに。


「わかった!もうっ、いちいち思い出さなくてもいいってばっ…。そうだよっ!かわいい子とデートって聞いて、ほんとかどうか確かめたかったのっ!…好きだから!…気になるし、知りたいし…、イケないの…?」