MATO




いつもよりトーンの低い声で後藤は言った。そんな後藤を横目で見て返した。



「全然」



はっきり言うと私は弓道で緊張をしたことは一度もない。「一度くらいはあるだろう」と言われるけど、本当に一度もない。