「そうですね。いつまでもこんな関係続けてたって仕方ないと思ったので。離れる“理由”が欲しかったのかもしれませんね。それに、“好きな人が出来るまで”と言われたので、それが出来ただけの話です。」




言い終わった後に、課長を見ても課長は俯いたまま何を考えているの変わらない。

沈黙だけが続く会議室。

2人きりのこの空間が耐えられなくて、今スグ逃げ出したかった。




「あの….、もういいですか?引き継ぎは1週間ぐらいあれば大丈夫です。退社日はそれに合わせて下さい。よろしく、お願いします。」



頭を下げ、課長に背を向けてドアへ歩きだした。



これでいい。やっと解放される。

自分に嘘をつかなくて済む。