「五月蝿い、五月蝿い、五月蝿い、五月蝿い!君に何が分かる。どうしてそんなこと言うの?縛り付けている?それはイケナイことなの?僕は悪いことをした?」
「・・・おい、レイ・・・」
「僕はっ、こんなにもレナを愛しているんだよっ?これが悪だと言うならば、この世の全てが悪だっ」
端整な顔を、悲痛に歪め瞳を潤ませる青年。
声を荒げ、息を荒げ、何も聞こえないように耳を塞ぐ。
無理矢理引き抜かれた左腕は、先程より血だらけになっていた。
「レイ!落ち着けよ!テメエが言ってるのは、所詮子供じみた独占欲だ」
「・・・白兎・・・。君は、大切な人の為に何をしてきた?何を出来る?僕は沢山のことをしてきたよ。レナの為に『あれ』も沢山使った。レナを愛しているから出来ることなんだよ」
嬉々として笑う様は、白兎にどうだ、とでも言っているようだった。


