白兎が燃えるような赤い瞳を青年に向け、その小さい口を開く。
「テメエは変わらねえな」
「それはお互い様でしょ。まあ、君にだけには言われたくなかったんだけど」
「・・・今でも縛り付けてんのか?やめろよ、見苦しいぞ。彼女には彼女の人生が・・・」
ガシャン!
白兎の言葉を遮るように、青年が窓硝子を左手で割る。
真横に振り被ったその腕は、窓硝子を突き破り、割れた中心部分の硝子は腕に微かに刺さり、血が流れている。
幸いなのは、青年がそのまま腕を引き抜かなかったことだろう。
もしそれをしていたら、きっとこれ以上の怪我になっていた。


