「そうだ、レナ。新しい紅茶を淹れてくれない?」
「分かりました!」
「・・・あ、その割れたカップはそのままにしていて良いよ。僕が後で片付けるから」

優しく微笑む青年の裏には、唯の狂気しかなかった。
少女が消えてから、その微笑すら浮かべなくなった。
唯、その狂気の目で白兎を見下ろすだけ。

「・・・君さあ・・・、なんでまたきたの?」
「・・・」
「ああ、どうせまた『忘れてる』のかな」
「・・・」
「喋れるなら、喋れば良いのに。隠せると思ってるの?」

何も語らない白兎に、問答無用で容赦なく責める青年。
やがて冷笑を浮かべる。
そして、最後の言葉に白兎がぴくりと反応する。