「・・・そ、そう。あ、俺用事あるんだ。ご、ごめんな!」
「あ、直樹君!」

直樹君は気まずそうにしてから、逃げるように走って行った。直樹君の背中に声をかけるが、直樹君はこちらを1度も振り返らずに走り去った。そして、人混みに消えた。
私は田中さんのときのように、その場に立ち尽くしていた。ずっと、直樹君が居た場所を見つめて。

その後、私はゆっくりとした足取りで家まで帰った。
17歳の誕生日は、複雑な1日で終わった気がする。空はこんなに綺麗な青空なのに。私の心はあまり快晴ではなかった。