「永沢さんも来てくれない?」

「えっ!!?」

「ママの誕生日パーティー、
 来てくれない?」

「え…何であたしが……」

「迷惑だったら別にいいけど」

そう言ってションボリする秋本。

誘われて、行かない訳ない。

「来週の日曜日だよね?
 行かしてもらってもいい??」

「え!!?来てくれるの???」

「うん、あっでも…
 伊藤さんも連れて来ていい?」

「…伊藤さんって、バレーボールで
 同じチームの子?」

「うん!!」

「…別にいいけど」

「じゃあ、二人でパーティー行くね!」

「うん!!楽しみにしてるね!!!!」


その日の帰り。

あたしは奈央ちゃんに秋本のことを
報告した。

「え!!本当に!!!!?
 愛海ちゃんありがとう!!!!!
 秋本の誕生パーティー一緒に
 行けるようにしてくれて!!!!」

「…秋本のお母さんね!!」

「あ、うん!!!!!めっちゃ嬉しい!!!」

大はしゃぎする奈央ちゃん。

あたしは、それを素直に喜べない。

本当は奈央ちゃんを誘いたくなかった。

あたしだけ、誕生パーティーに
行きたかった。

けど…

友達を裏切れない。

「ねぇ愛海、ちょっといい?」

後ろから歩いてきた怜奈。

「うん…?」

「奈央ちゃんごめん、
 愛海、借りてくね!!!」

「あ、うん!!どーぞー!!!!」