なんと、秋本とも同じチーム。

「じゃあボールパスしようよ!!」

秋本があたしにボールをパスしてきた。

「…ぇ……」

「ほら!!永沢さん!!!!
 パスパス!!!!!!」

秋本が俺に俺にと言っている。

バレーボールは得意って訳じゃ
ないけど、嫌いじゃない。


ボンッ


レシーブは結構得意。

秋本目がけてボールをうつ。

バンッ

秋本も打ち返す。

そしてそボールが、

そのボールが…………

「奈央ちゃん!!!!」

ボーっとしている奈央ちゃんに
ボールがいった。

「え!!!?あ、ああ!!!!」

奈央ちゃんがテイヤーーっと、
手を出す。

ドンッ ドンドンドン…

「…ゴメン!!!」

奈央ちゃんはそう言って
転がったボールを取りに行った。


「伊藤さんってどんくさいね」

秋本が少し呆れ気味に言った。

「そうだね…」

実はあたしもそう思っていた。

奈央ちゃんってフワフワというか
男子にモテる性格というか、
振る舞いをしているというか…

でも、秋本はそういう子は
あまりタイプじゃないみたい。


「ゴメンね…じゃあ続きやるよ!!」