それから学校が終わり、
あたしは渋々校門の前にいる。

はっきり言って、面倒くさい。

・・・人と付き合うのって。

「あ、待った?」

悠斗君が人ごみの中から出てきた。

「いや・・・」

「そっか!!あ、来た来た!!」

悠斗君は人ごみの中を見て言った。

「ごめん!!」

そこから現れた一人の男子。

「ごめん!!結構待った?」

・・・第一印象は可愛い。

てか肌白っ!!

これが男子とは思えない。

・・・まあ、顔は男子だけど。

「俺も今来たとこ!」

「そっか!!」

ニコニコと喋っているそいつ。

「あ!!」

あたしの存在に気付いたらしい。

「同じのクラスの人だよね?」

「・・・そうだっけ?」

あたしの素っ気無さにも
お構いなく無邪気に笑う。

「俺覚えてるよ?
 確か、図書委員に立候補してた!」

嬉しそうに笑う。

「で、名前は?」

自分から人の名前を知りたいと
思った事はこれまで無かった。

なのに・・・

なのに、何故かあたしはコイツの
名前を知りたかった。

「秋本一樹!!宜しく!!」

そう言って、あたしに手を差し伸べた。

少し戸惑いながらあたしも手を出す。

ギュッ・・・・・

こんなに力強く手を
握られたのも初めてだった。

「永沢愛海です。」



これがあたしとあっくんの出会い。