類はひるんだ。 でも、相手は今日の主役だ。 無下に扱うこともできない。 嫌だけど、 引きつった顔に、無理に笑みを貼り付ける。 その間にも、まじまじと観察されている。 「あ」 武藤は突然驚いた。 「さっきのヴォーカルの子か!!」 「そうです」 「衣装で、こんなに雰囲気が変わるのか。 あの、歌のうまい子は、 こんな可愛い子だったのか」 類の腕を掴む手に、力がこもってくる。