類は、固まった。 それから、心臓が一気に爆走する。 こっちって・・・ 「君の番。頼んだよ」 声がした。 武藤さんが、類の肩を叩いていた。 類は立ち上がって、 ステージの方へ歩き出す。 催眠術にかかったみたいに、 伸ばされた手の方へ。 ステージに阻まれて、はじめてハッと我に返る。 悟が、しゃがみこんで、類に手を伸ばしている。 ここから、来いと。 類は悟ににっと笑うと、手を取った。 あたし、憧れの人と握手しても、気を失うんじゃなかったっけ。