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―着信 川中三咲―


『亜実子ー?私、三咲。着いたよ』

「ちょちょちょ、ちょっと待って!」



中学からの親友の声が携帯電話の向こうから響く。


少しハスキーな三咲の声、落ち着く。



『え、どした?』



急に三咲の声色が変わる。

何か私にあったんじゃないか、ってそんな感じの声。


この声はあまり好きじゃないの。



「…着てく服が決まらなくて」

『ふはっ。そんなのテキトーでいいじゃんか』

「だめだよ!なんかすっごい大人っぽい、お洒落な店じゃない。ちゃんとした格好しなくちゃっ」