執事と王子とそれから…私!?


唐突に後ろから声をかけられた。


振り返ってみるとそこには、可愛らしい美少女が背景に百合の花が映し出されるほど綺麗な笑顔で私を見つめていた。


赤いリボンで上にまとめられたら色素の薄い栗色の髪の毛に、小柄ながらバランスが良いスタイル。


私なんかとは違ってまさに『小動物系美少女』という言葉が相応しい。


――所謂世間で流行っている…、あれだ!萌え、とかいうやつ?そっちの世界は知らないけど。


「えっと…」


とりあえず私の脳内は混乱している。


こんな美少女と地味女なんて月とすっぽんというか…。


私がひとりでアタフタしていると、その美少女はクスッと微笑み、ピンク色で形の良い唇を動かした。


「外部入学の柊つばめちゃんだよね。上原有栖(ウエハラアリス)っていいます!」


「あッ、柊つばめ…です」


こんなに可愛い子と話すのは恐縮してしまう…。


そんな事を思いながら俯いていると、彼女から信じられない言葉が飛び出した。