とはいっても何時までも立っているわけにもいかず、黒板に張り出された座席表をチェックしてから自席へ向かった。
幸運なことに、私の席は窓際の一番後ろ。
席に着くなり目立たないように身を小さく縮めたが、無意味だったみたい。
まだみんな私に注目してるんだもん!
――やっぱり私みたいな地味で庶民なんかいれるような学園じゃないよね…。
しばらくすると担任であろうなかなか素敵な先生が教室に入ってきて、ちょっとした騒ぎは収まった。
「えーこれから一年、このクラスを受け持つことになった白金裕人(シロガネユウト)だ。よろしくな」
簡単に自己紹介を済ませた白金先生は、生徒達に明るく微笑んで見せた。
品のある笑顔とその外見から、生徒たち(特に女子生徒)は揃って黄色い声を発した。それに比べて男子たちはばつの悪そうな顔をしている。
ついでに言うと、私は何も感じない。
人生の中で異性を格好いいと感じたことがないから。
――あれ?でもさっき、あの美少年にドキッて…
