葛城が帰った頃には、夜中の零時を回っていた。 部屋に一人になったおれは‥急に脱帽感に襲われる。 これで…終わったんだ、もう。 留学先に戻れるんだ。 『松下、ちょっと出かけてくるわ』 「ちょっと…坊ちゃんっ!」 松下の止めにも応じず、街に出てきた。 今は…一人でいたいんだっ‥。 ---そして、 それからの‥おれは 狂ったんだ。