言われるがままに、家に帰る。すると玄関にはおれの帰りを待っていた松下が立っていた。 「おかえりなさいませ」 『…オヤジは?』 愛想悪く言うと「こちらです」と言われ、オヤジの書斎へ連れて行かれた。 中に入ると、椅子に座っているオヤジがいた。 「…何のために、日本に来た?」 『社長には関係のないことです。私情ですから』 淡々と答えるおれに対して、淡々と質問を投げ込んでくるオヤジ。 この関係は昔からちっとも変わらない。