肩を掴まれ、無理矢理頭を上げるはめになった。 「だから、お前を跡取りにすることなど今さらできないんだ」 『それじゃあ秘書でも構いませんっ‥!おれを桜庭家に置いてください』 「それも無理だ。もう秘書も決めてある。お前の居場所などここにはない」 藁にも縋る思いでオヤジに頭を下げた。なのに…希望はなくなってしまった。 もうどうすることもできない‥。 絶望感に浸っているおれにオヤジは背を向けた。そしてまた、冷たく言い放つ。 「私にはどうすることもできない。お前は遅すぎたんだ」