途端、彼はふるふると震え出す。


「は、隼人ー!ふざけんなーっ!!」

ギャーギャーと文句の言い合いが始まった。
そんな二人をうっとりとした目で見つめる、女子、女子、女子……



「やれやれだな」

ふぅーとため息をつき、頭を抱える男子がまた一人。


「まーさみぃっ♪あの2人……ど~しよっか?」

最初の男子がちょんちょんと、雅巳と呼ばれた男子を引っ張る。首を可愛らしく傾けると言う、オプション付きで。


「優貴、あれは放っておくのが一番だから」

そういって雅巳は優貴の頭を撫でた。



「きゃぁあ~っ!!見て!雅巳様と優貴様の2ショット~!!」

「もう私死んでもいい~っ!!」


あちこちからバタンバタンと倒れる音。
一層大きくなる声援。
それを視線の端に捉えながら、微笑みを浮かべることも忘れずに歩いていく。



鳥なんかもう、一羽もいない。








そんな中、柊 権太は、隼人とケンカしつつも、この状況に心底満足していた。