ぶたさん2

 同じ道路の同じ場所、同じ時間帯に、うさぎさんの姿がありました。

 うさぎさんは笑顔でした。 近くにいる白いエプロンの男も笑顔です。 うさぎさんは、笑顔のぶたさんとねこさんを思い浮かべ、更に笑顔になりました。 壊れたように笑ううさぎさんに合わせて、壊れたような速度で突っ込んでくる二台の車。

 非公式に再開されたゼロヨンレース、その一本目に併せて祝福のブーケを投げ込むように、うさぎさんはフワッと道路の中心に飛びこみます。

 うさぎさんの笑い声と鈍い激突音が交差する中、雲一つない夜空にキラリと星が流れます。 そこには光り輝く三つの星が、仲良く寄り添うように放物線を描いていました。




 現実では見る事のできなかった、3人の仲の良いお友達の、明るい未来を指し示すように。

 いつまでも、いつまでも、輝き続けていたのでした。